手放すの前の一読として『マンガ 老荘の思想』(講談社プラスアルファ文庫)を最近読み直して、今回一番気になったのは、わりと有名な以下の一節でした。
大国を治むるは、小鮮(=小魚)を烹る(=煮る)が如し
この『老子』の一節を、上記の本では以下のように説明文が付いています。
大国を治めるのは、小魚を焼くのと同じである。
あまりひっくり返してはいけない。
手を加えすぎると、小魚の身は崩れてしまう。
この箇所自体は政治のお話ですが、私は職業柄、子育てにのことが思い浮かんでしまいました。
これまでさまざまな親子関係を見てきて素直に感じるのは、過保護・過干渉はなかなか問題が多いというか、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の格言通り、「過」保護・「過」干渉は子供へのマイナス面の方が大きいということです。
上記現代語訳の「あまりひっくり返してはいけない。手を加えすぎると、小魚の身は崩れてしまう」をもし子育てに当てはめるなら「適度な放任の大切さ」を説くことになるんでしょうけど、本当にそのように見えます。
過保護・過干渉は子供の年齢が上がるにつれて、どんどんどんどん、そのダメージが大きくなっていく印象です。
放任というか完全放置がベストだとは全く思っていませんが、親としてやるべきことをやりつつ「適度な放任」に成功できると、一番順調に子育てが進んでいく…ように感じています。